映画を観てきた

昨日は娘と『風のかたち―小児がんと仲間たちの10年』を―これについては後で書きます―、今日は夫と『白痴』を見てきた。


夫と一緒に映画観に行くなんて、一体何十年ぶり(笑)だろう?彼は2時間もの?は長いので疲れるから、という人。ましてや映画館まで行こうという人ではないのだ。それでも学生時代は一緒に行きましたよ、『静かなるドン』とか『ドクトル・ジバコ』とか、寅さんも一回くらい行ったかも。今回は、たまたま義理?でチケットを買ったからなのだ。「シネマの風景フェスティバル」というので、金曜まで。5枚綴りでお得だし、せっかくだから行かないテはないと、実は昨日も一人で仕事帰りに『赤いハンカチ』を見て来たそうだ。これを機会に映画どんどん行ってくれたらいいんだけどね。50歳以上のカップルで行くと、けっこう安いですよね?


今日の『白痴』はドストエフスキーの原作を黒沢明監督により、日本映画に。むうう、『白痴』という題名は昔から知っていても、このタイトルだけで、読もうという気が全くしなかったので、今まで原作を読まずに今日観たけれど、やっぱり事前にネットででも下調べしていけば、もっと楽しめたなあ。

ところで若い時の三船敏郎ってこんなにかっこ良かったんだわね。びっくりした。原節子久我美子も、当然だけど美しくて、見とれてしまった。それに、モノクロだから登場人物の顔の陰影が一層際立つのか、表情に圧倒される。特に主要4人の目が、こちらが吸い込まれそうな目のだ。夫はストーリーよりも、「あ、これは千秋稔だ」とか、昭和26年当時の札幌の風景などに目が向いている。私はストーリーも面白かったけれど、夫と映画を観る、ということそのものが、嬉しくてね。滅多にないことの価値というか。来年の夏が今みたいに元気かどう保障がないから、今日のデートはやっぱり記しておかないと。楽しい思い出は私のためだけではなく、後になり、残された家族の力にもなるだろうから。

『白痴』が始まった時、第一部と字幕に出たので、長い映画だから間に休憩があるだろうと思っていたら(その時プリッツを買いに行こうと思ってたのに)、それが、なかったの。第一部終了が出たと思ったら、すぐさま第二部の文字が。長いなあ、と夫が言う。終了までの間に、何度も携帯を開けると思ったら、時計を見ていたのだ。そんなに終わるのが待ち遠しかったのかしらん。座る姿勢が悪いからじゃないの? とは言え、上映時間は166分。でもでも、今ではもう観ることができないそうだが当初は、、なんと4時間25分もあったのだそうだが、一般公開されるにあたり、大幅にカットされたのだそうだ。

映画が終わってから、遅めのランチをパルコの上で。割と空いていたが、奥へ案内された時、いやあな予感が。隣の席に80才くらいと思われる元気なおばあさん4人組が、おしゃべりに花を咲かせていた。疲れたのでゆっくりできる空間がいいねと夫が言って、和食屋さんに行ったのだが・・・。それから、私たちが食べ終わり、彼女たちが席を立つまで、ジャズと共に、私たちの耳には、聞くともなく、お隣から聞こえてくる入れ歯のお話とか、夫亡き後の年金のお話とか、親戚のお話とか、病気や病院の話やらが、洪水のように流れて来たのだった。夫は、もうおばあさんのお話はたくさんなんだけど・・・とぼやいた。でも、日向夏ティがすごくおいしかったから、いいのいいの。