あきらめる

4年間あまり辛くない、むしろ楽しい充実した日々を送ってきたが、これからはそうはいかないかもしれない。前回の受診から一カ月後の今日の検査結果では、肺の影は前回CTに登場したが、レントゲンにはまだ出て来ない。それくらいの大きさということ。肝臓、異状なし。首に出来ているがんは、1.5センチに成長していた。一昨年の左脇リンパ節再発時から、小さくあったのだそうだ。それが、2年4カ月の間に、大きくなった。さらに、ドクターは何も言わないが、前回の血液検査の結果と、前々回それとを比べると、1ガターCTPが5月末の時点では、2.3。今日もらった前回の検査結果では、それが4.3に上昇。基準値は、4.5未満である。ギリギリじゃないの。1ガターCTPとは、調べてみたら、骨転移に関係する腫瘍マーカーだそうだ。骨転移が起きている可能性があるということだろうか。

隔日で1錠飲むエンドキサンの効果は、一カ月では出ないという。あと一カ月服用して、様子を見る。

残念ながら、前回の検査でも、閉経に至らず。エストラジオールーSの値は、33WPG/ML。まだまだ、という数値のようだ。

でも、閉経していない乳がん患者にも、血管新生阻害剤は効果があるということはわかっているのだ。日本では法律上、まだ使えないだけ。ウソついて、閉経したということにして欲しい気分だ。ならば治験をというと、今はやっていないはず、と。札幌では、という意味かもしれないけれど。閉経していない、ということが残念だけど、分かれ道かもしれないなあ。リュープリンを再び打とうかということもドクターは考えているようだった。それがきかっけになり、閉経が早まる可能性がある、と。


再発乳がんに効果が期待されるエイブリンという新薬はどうか?と尋ねてみる。前評判は高いが、効果の程は、わからない。ご希望なら、使うが、という返事。ただ、クリニックに来ている患者では誰も、まだ使っていないとのこと。使ってみないとわからない。私の情況では、まだ使うことはない、とのことだった。新薬なら、価格も高いだろうしね。


うーん、どうしようかなあ。最悪のタイミングで、色々なことが起きている。こういう時、とりあえず、あきらめちゃおう、何も考えず、というのが、結果的にはストレスと悪循環を防ぐことになるのだろうなあ。と、知識では知っているけれど、明らめることは、なかなか難しい。あきらめてしまいさえすれば、淡々と明日からも今まで通り、やれるところまで行くだけ。悩まない。というのが、理想なのですがね。

がんの治療を始める時、ドクターが私に言ったのは、「これから大変だよ」ということ。実際は、この4年はそうでもなかったのだから、これからだと思う。


自分が楽しみとしている歌もやめ、不登校関連の社会活道も一切やめ、バンドもやめ、食事と運動療法と、年老いた親たちへの目配りだけをして、これからの日々を過ごすというのはどうだろう。そんなことをしたら、すぐ死んだりしてね。とはいえ、9月中に、実家の母の行き先を探さないといけない情況なので、場合にうよっては、色々欠席するかもしれません。あしからず。

もうすぐ夫が出張から帰ってくる。なのに悪い知らせばかりで、申しわけない。ここを読んでいる、私のお友達や心配している皆さん、こう書いていても、きっとなんとかなるので、あまり心配しないでください。大体は、なんとかなってきたのだから。ただ、ドクターにはストレスはほんとにがんに良くないのだ、と言われる。しかし、医者にはどうすることもできない。どうしたらストレスをあまり感じないで済むか、自分で工夫するしかない。

母の入院で、何も出来ない父―洗濯はできるけど、調理が全く出来ない。お掃除は、ヘルパーさんに頼んだ―が一人家にいることになった。このことが、一番の問題。すっかり弱っている母には酷だが、「まさかこんなことになるとは思ってもみなかった」というのを聞いて、本当に仰天した。こうなることは、わかっていたでしょう。だから、昨年もあんなにディ・ケアに行きなさい、と言ったのに。主治医は、母はもう認知症だとも言っているから、昨年からもう判断力もなかったのだろうか。どうしても、自分のことや子どものこと、そして夫の母のことが優先され、母のことを余り見て来なかった私も、悪いんだけどね・・・。