♪がん、あなたと二人〜 


タイトルがなんの歌の替え歌か気づく方は、きっと私と同年代ですね(笑)。


一昨年乳がんの告知を受けた頃、がんの替え歌を二つ思い付き、バカみたいだけど、ある所で数人に披露。一つは、この、ふーたりーのためー、せーかいはあるの〜、という例の歌です。当時この部分をなんと替えたか覚えてないけれど、今なら、世界→体って感じでしょうか。もう一つの歌は、確か『愛が生まれた日』とかなんとかと言う題名。それを、

♪がんが生まれた日、このとーきに〜、なんたらかんたら〜
 
と替え歌にしてた私。

替え歌の内容からして、ひょっとして、先見の明があったのかしらん、ワタシ?(まさか、爆)と思うような内容の今夜のNHKBSの、立花隆のレポートだった。昨日から三夜連続で、人類はがんを克服できるのか、というテーマで放映している。昨日と今日見たけれど、がん患者の私がこう言うのもおかしいけど、面白い。面白いと思う自分は、相当開き直っているか、ドライなのだろうね。でも私には、感動秘話、みたいなドラマやドキュメンタリーより、がんの謎に焦点を当てたこのような番組の方が、悲しくなくて良い。


がんって、なんて賢いのだ、と思っていたら、立花隆さんも同じようなコメントを。ところが、番組に登場したある教授によれば、がんは賢いのではなく、ただ正常細胞内にもあるのと同じシステム―いや、遺伝子だったかしら・難しくて覚えられませんでした―を利用しているだけなのだそうだ。それにしても、やはり賢いと思わざるを得ない。しかも、立花さんが言っていたように、がんは自分なのだ?と思えて来る。がん幹細胞が持つシステムなどは、正常細胞のそれと非常に似ているらしいなんて話も、驚くと同時に、がん、お主やるなあ、とも思う。


人類ががんを克服する日がまだほど遠そうだ。だったら、この環境で、自分はがんを飼いながら、どう生きるの?ってことが、患者としての私個人にとって最も重要なことなんだよね。


フィギュアスケートを見て、それからこの番組を見ていたら、午後10時になった。先日の血液検査の結果異状が見つかれば、ドクターから連絡があるはずの時間が過ぎた。正直、今回は電話がどうかありませんように、と祈るような思いだったので、時計を気にしながらの午後7時から10時だった。忘れてしまう、とはならなかった。


だってね、この暮れからお正月にかけては、やはり心穏やかに暮らしたいですものね。新年そうそう、新しい事態に直面するのは、やっぱりいやだから。電話がなかったので、2月半ばの定期検査までは、治療に変化はないことになる。検査に異状がなかったと言ってもまだ現われていないだけで、イコール異状がない、のではないから、以前みたいにそのこと自体嬉しくはない。でも、相変らず隔日TS-1続行=具合は悪くないので、普通の生活ができる、ってことだから、それは、本当に嬉しくて、叫びたいほどだ。できれば、がん細胞の中心で?  きゃあきゃあ、嬉しいよう、と。その大喜びの圧力で、がんの親分がん幹細胞が、びびって滅亡してくれたらラッキーなんだけど。と、妄想全開です。