斉藤環さんによる『安心ひきこもりライフ』(勝山実 著)の書評


9月4日付け朝日新聞朝刊書評欄に、ひきこもり研究の第一人者斉藤環氏による『安心ひきこもりライフ』の書評が掲載されている。

以下、引用します。見出しがまた可笑しいの。「けしからんが必読なのだ」です(笑)。


実にけしからん本だ。

ひきこもりの第一人者(笑)たる評者の著書を「可もなく不可もなく」と一刀両断。政府のひきこもり対策事業を「ひきこもり関ヶ原」などと巧みに茶化す(うっかりニヤニヤしたのは秘密だ)。この”名人”に「就労など煩悩に過ぎない」と言われては、治療者として返す言葉もない。

ほかにも、「腐れチャレンジ」「働かざること山のごとく」「半人前理想主義」「自立とは正しく落ち込むこと」「月見草でいいじゃないですか」など名言金言が目白押し。目指すは、罪の意識なく、のびのびひきこもる生活。そのための福祉サービス利用法、甥っ子とのつきあい方など、当事者ならではの超実用的なアドバイスまである。

「可能性を広げるとは、堕ちること」と主張する本書は、現代の小さな「堕落論」だ。なのに本書の「笑い」には逆説的な希望、評者には決して示し得ない希望がある。けしからんが必読なのだ。  斉藤環(精神科医)



私のいい加減な感想

面白うて、可笑しくて、涙が出て、考えさせられる一冊だ。著者は、突き抜けた人。一般的な就労に向いてなくとも、ペンで食べて行けるかもしれない人だね。ママンの言い分も聞いてみたい。ぜひ、続編書いて。そして、「ママンの言い分」という章を設けて欲しい。